プロダクト・マーケット・フィットと、その手前で見るべき兆し
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市場が求めるものを、商品が満たしている状態
プロダクト・マーケット・フィットとは、良い市場の中で、その市場を満たせる商品がある状態のことです。Marc Andreessen が2007年のブログ記事で、スタートアップにとって最も重要なのはこれだと論じて広まりました。商品を出したが手応えが分からない人が、今どの段階にいるのかを確かめる手がかりになります。
記事の主張
Andreessen は、会社の成否を分けるものとして、チーム、商品、市場のうち、市場をいちばん重く見ました。良い市場には商品を引っぱる力があり、悪い市場ではどんなに優れた商品でも苦労する、という主張です。
さらに、フィットが達成されているときは、肌で分かると書いています。商品が足りなくなるほど客が来る、売るほど次の注文が増える、といった状態です。逆に達していないときは、客に伝わらない、使われない、買われても続かない、といった違和感が出るとしています。
ただし、これは本人の経験に基づく記述で、数値で測る基準は示されていません。
達成の手前で見る兆し
フィットに達するまでの途中でも、確認できる兆しがあります。
- 繰り返し使われているか、または再購入されているか。一度きりでなく、続いているか
- 勧められて来る客がいるか。紹介や口コミで来る人の割合が増えているか
- 買った理由を、客が自分の言葉で説明できるか
- 商品がなくなったら困ると言う客がいるか
この4つが少しでも見えるなら、方向は合っている可能性があります。逆に、無料や値引きでしか動かない、使われないまま解約される、といった場合は、商品か市場の見直しが必要です。
「困る」を聞く質問
Sean Ellis が広めた質問の形があります。「この商品が使えなくなったら、どう感じるか」と聞き、「とても残念」と答える人の割合を見るものです。
「とても残念」が約4割以上を目安にするという話がよく引かれます。ただし、この目安は広く使われているものの、回答者が少ない小さな事業では揺れが大きく、厳密な基準とは言えません。個別の回答の理由を読むことに価値を置きます。
小さな事業での注意
フィットは、ある時点で達成して終わるものではありません。市場や競合が変われば、満たしているかどうかも変わります。また、少数の熱心な客だけの反応を、市場全体の需要と取り違えないようにします。
兆しが見えないときは、商品を作り込む前に、客の対象や困りごとの見立てを変えることを先に検討します。
兆しが見えないとき
兆しが見えないときに、商品を作り込む前にできることがあります。まず、これまでに買った客の共通点を探します。業種、規模、悩みなど、似た人が集まっている場合は、そこが本来の市場かもしれません。
次に、客が商品を使い続ける場面と、やめる場面を比べます。やめた理由を聞くことは、続けている理由を聞くのと同じくらい役に立ちます。
それでも手がかりがなければ、客の対象や困りごとの見立てを変えて、小さく試し直します。これは失敗ではなく、見立てを直す作業です。
この記事の枠組みは、商品を出して間もない段階を前提にしています。すでに安定して売れている事業は、別の問いで足りる場合もあります。自分がどの段階にいるのかを、最初に確認してください。
まだ商品を出していない段階であれば、客候補への聞き取りが先です。作る前に、困りごとが実在するか、今は何で代用しているかを聞けば、方向を外すリスクを下げられます。
次にやること
- 直近の客の再購入率や継続率を数える
- 客10人に「使えなくなったらどう感じるか」と、その理由を聞く
- 紹介や口コミで来た客がいたか、記録から探す
- 兆しが出ている客層を一つ選び、その客層向けに説明を書き直す
- 1〜2か月後に、同じ質問と数え方でもう一度確認する